YouTubeは、世界で2番目にアクセス数が多い巨大プラットフォームであり、多様なターゲティング手法と豊富な広告メニューを備えた魅力的な広告媒体です。
本記事では、YouTube広告の特徴やメリット、6種類の広告メニュー、課金形態、目的に応じた広告の選び方、運用のポイント、配信手順などを詳しく解説します。
YouTube広告を検討している方や、すでに運用していてもっと効果を上げたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
YouTube広告とは?
YouTube広告は、2005年初頭に登場した動画共有サイト「YouTube」で配信が可能な広告形態のことを指します。
毎月約20億人ものユーザーがYouTubeにログインしており、1日あたりの平均利用者数はGoogleに次ぐ2位を誇ります。
1日あたり10億時間もの動画視聴が行われ、再生回数は数十億回にも及ぶのです。この「数十億」という巨大なマーケットを抱えていることから、広告業界からの注目度は高まる一方です。
動画広告市場の規模は、2021年の時点で3,889億円に達していましたが、今後は大手携帯電話会社によるモバイル通信料金の値下げや、5Gの本格普及などを背景に、2024年には6,856億円にまで拡大すると予想されています。
スマートフォンでの動画コンテンツ視聴は、今後ますます活発化していくことが見込まれているのです。
また、YouTube広告管理はGoogleの広告プラットフォームを通じて行われるため、現行の検索広告やディスプレイ広告の設定や効果測定と同様の方法で組み込むことが可能であり、効果の最大化を図りやすいのも大きな強みと言えるでしょう。
YouTube広告の特色
YouTube広告は、商品の認知度向上から購入の後押しまで、さまざまな目的に応じた選択が可能な広告形態です。
5秒でスキップできるタイプやスキップ不可能なタイプ、冒頭から「広告」と表示される動画など、バラエティに富んでいます。
また、動画広告の特性として、映像と音声を用いて「視覚」と「聴覚」に訴求できるため、サービスの魅力を伝えやすいというメリットがあります。
YouTube広告は、国内市場だけを見ても、非常に多くの利用者が存在しており、属性や関心事などあらゆるオーディエンス(潜在顧客)をターゲティングしてアプローチできるため、コンバージョン数の増加やブランド認知の底上げが期待できる、有望なプラットフォームだと言えます。
YouTube広告の5つのメリット
YouTube広告には、以下のような主に5つのメリットが挙げられます。
- 到達範囲の広さ
- 多様なターゲティング手法
- 目的に応じた広告配信の実現
- 無駄な費用の削減
- 詳細な効果測定の可能性
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
到達範囲の広さ
YouTubeは、Googleに次いで世界第2位のアクセス数を誇る巨大プラットフォームです。 2022年にGoogleが公表したデータによると、国内の18歳以上の月間ユーザー数は7,000万人に上ります。 参考:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2022-2/ 膨大なユーザー数を有しているため、到達範囲が広く、短期間で認知度を高められることが期待できます。
多様なターゲティング手法
YouTube広告は、多様なターゲティング手法が特徴です。年齢や性別、地域といった基本的な設定に加え、趣味や関心、ライフスタイルなど細やかな設定も行えます。
さらに、任意の動画のみに広告を表示するプレースメントターゲティングも設定できます。
目的に応じた広告配信の実現
YouTube広告では、自社の目的に合わせた広告配信を行うことができます。例えば、YouTube広告では以下のような目的を選択できます。
- 販売の促進
- 見込み客の獲得
- 商品やブランドの比較検討
- ブランド認知度の向上とリーチの拡大
目的に対して、簡単に最適な設定を行うことが可能です。
無駄な費用の削減
YouTube広告は、テレビやチラシなどの広告媒体と比べて、無駄な費用が発生しにくいというメリットがあります。
テレビやチラシでは、実際に広告が見られているかどうかは不明ですが、YouTube広告の場合は、クリック数や表示回数など明確な指標に基づいて課金される仕組みとなっています。
無駄な費用を抑えながら広告を出稿したい企業にとって、YouTube広告はおすすめと言えるでしょう。
詳細な効果測定の可能性
YouTube広告では、インプレッション数(広告の表示回数)、再生数、再生時間、リンクのクリック数など、細かな広告配信データを計測することができます。
そのため、広告配信の結果を分析し、次回の施策に反映することで、改善を図ることが可能です。広告運用では、中長期的にパフォーマンスを高めていくことが重要なため、詳細な効果測定が行える点は大きなメリットとなります。
YouTube広告メニューの6つのタイプ
YouTube広告には、以下の6種類の広告メニューがあります。
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- インフィード動画広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
それぞれの広告メニューについて、詳しく見ていきましょう。参考:動画広告フォーマットの概要(YouTubeヘルプ)
スキップ可能なインストリーム広告
「スキップ可能なインストリーム広告」は、動画の再生前、再生中、または再生後に表示されるYouTube広告です。
再生開始から5秒が経過すると、ユーザーは広告をスキップすることができます。
スキップ不可のインストリーム広告
「スキップ不可のインストリーム広告」は、動画の再生前、再生中、再生後に表示されるYouTube広告です。この広告はスキップすることができず、15秒以内の広告動画が再生されます。
インフィード動画広告
「インフィード動画広告」は、YouTubeの関連動画リストや検索結果、YouTubeモバイルのページなどに表示される広告です。
「インフィード動画広告」は、動画のサムネイル画像とテキストで構成されており、YouTube上で自然な形で表示される広告です。
バンパー広告
「バンパー広告」は、動画の再生前、再生中、または再生後に6秒以内で再生されるYouTube広告で、スキップはできません。
短く印象に残りやすいフレーズを繰り返し視聴してもらいたい場合に効果的です。
アウトストリーム広告
「アウトストリーム広告」は、音声がオフの状態で再生が始まり、ユーザーがタップするとミュートが解除される広告です。
アウトストリーム広告は、モバイル専用の広告であり、Google動画パートナーのウェブサイトやアプリにのみ表示されます。YouTube上では配信されないため、利用時には注意が必要です。
マストヘッド広告
マストヘッド広告は、YouTubeのホーム画面上部で最大30秒間、自動で音声なし再生される広告です。ミュートアイコンをクリックすると、音声が再生されます。
YouTubeのホーム画面上部に表示されるため、短期間で広範囲にリーチを拡大することが可能です。
YouTube広告の課金形態
YouTube広告の課金形態は、大きく分けて4つのタイプがあります。 配信の目的に応じて使い分けることが重要です。
CPV(Cost Per View)
ユーザーが動画を30秒間視聴するか、その前に広告をクリックした際に料金が発生します。
(30秒未満の動画の場合は最後まで視聴した際に発生) CPV単価制は、「商品やブランドの比較検討」の目標で動画キャンペーンを作成した場合に利用できます。認知度の拡大と比較検討を実現する方式でもあります。
CPM(Cost Per Mille)
広告が1,000回表示されるたびに料金が発生します(インプレッション課金)。ユーザーにブランドを認知してもらい、記憶に残るように配信する場合に適しています。
CPC(Cost Per Click)
広告がクリックされるたびに料金が発生します。 商品を検討してもらえるよう、ユーザーに働きかける場合に適しています。
CPD(Cost Per Day)
これは、掲載日数に応じて課金される仕組みです。例えば、1日あたりの広告費用が固定されているケースで、新商品やサービスの発表、またはイベントの告知といった、短期間で広範なターゲットにリーチすることを目的とする際に活用されます。
目的に応じたYouTube広告の選択方法
ここからは、YouTube広告の目的別の選び方について解説いたします。YouTube広告は大きく分けて、次の3つの目的に分類されます。
- 商品・ブランドの認知向上
- 商品・ブランドの比較検討
- 見込み客の獲得や販売促進
それぞれの目的に応じたYouTube広告の種類について順にご紹介します。
商品・ブランドの認知度向上
YouTube広告の出稿目的が「商品・ブランドの認知度向上」の場合は、以下のYouTube広告が適しています。
- バンパー広告
- インストリーム広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
積極的にリーチを強化し、商品・ブランドの認知度を高めることができます。
商品・ブランドの比較検討
YouTube広告の出稿目的が「商品・ブランドの比較検討」である場合、以下の形式のYouTube広告が適切です。
- スキップ可能なインストリーム広告
- インフィード動画広告
いずれも、商品やブランドに強い関心を持つユーザーが積極的に視聴するタイプのYouTube広告です。商品・ブランドの比較検討を目的とする場合、スキップ可能なインストリーム広告やインフィード動画広告の活用が効果的です。
見込み客の獲得・販売促進
YouTube広告の出稿目的が「見込み客の獲得・販売促進」の場合は、以下のYouTube広告が適しています。
- スキップ可能なインストリーム広告
購買意欲の高いユーザーを狙いたい場合には、「スキップ可能なインストリーム広告」を活用することが効果的です。
YouTube広告を運用する際のポイント
YouTube広告の運用を始める前に、いくつかの重要なポイントがあります。
目的の明確化
YouTube広告では、目的に応じて運用する広告のタイプが大きく異なります。認知度の向上を目指すのか、商品・サービスの購入促進を図るのかなど、さまざまな目的が考えられます。目的をしっかりと定めたうえで、運用を進めていくことが重要です。
販売促進を目的とする場合
YouTube広告から最終的な目標に至った成果を確認することが必要です。コンバージョン率、ビュースルーコンバージョン数、エンゲージビューコンバージョン数などを確認しましょう。
商品・サービス・ブランドの認知度向上を目的とする場合
リーチできた層を確認することが大切です。表示回数、視聴回数、獲得アクション数などを確認しましょう。
ターゲティングやクリエイティブの精査を目的とする場合
視聴率の比較や動画再生時間の割合、平均広告視聴単価の推移で確認することが有効です。
ターゲットの明確化
広告を配信するターゲットの特徴を把握することが重要です。ターゲティング設定では、ユーザーの年齢や性別、趣味などを指定することができるため、想定しているユーザー像を明確にすることで、より的確に広告を届けることができるようになります。
継続的なPDCAサイクル
広告運用において最も重要なことは、継続的にPDCAサイクルを回すことです。広告配信が始まったら、効果を測定し、広告の改善やターゲティング、キーワードの見直しを継続的に行うことが重要です。
また、広告の配信設定の変更だけでなく、予算の調整なども行い、費用対効果を随時見直していくことが求められます。
YouTube広告を配信する手順
YouTube広告を配信する際には、以下の手順で設定を進めます。
- YouTubeへの動画のアップロード
- Google広告でのキャンペーンの作成
- キャンペーンの目標の選択
- 入札戦略・予算の設定
- ターゲットの設定と広告グループの作成
- 動画広告の作成
それぞれの手順について説明します。
YouTubeへの動画のアップロード
まず初めに、YouTubeに広告用に作成した動画をアップロードします。
Google広告でのキャンペーンの作成
動画のアップロードが完了したら、Google広告でキャンペーンを作成します。Google広告のアカウントをお持ちでない場合には、アカウントの作成から始める必要があります。
キャンペーンの目標の選択
キャンペーンを作成する際、「キャンペーンで達成したい目標」を選択する画面が表示されます。YouTube広告の目的に合った適切な目標を選びましょう。
入札戦略・予算の設定
次のステップでは、「入札戦略(課金方式)」や「1日の予算」などの設定を行います。
ターゲットの設定と広告グループの作成
次に、ターゲット設定に進みます。年齢、性別、地域、興味関心などを詳細に指定できるため、ターゲットに合った項目を選び、広告グループを作成します。
動画広告の作成
広告グループの作成が完了したら、配信する動画を選びます。
最初のステップでYouTubeに動画をアップロードしているので、動画のURLを検索することで、該当の動画を選択できます。
動画の選択後、クリック後の遷移先URLや広告見出しなどを設定します。 設定が完了すると、広告の配信が開始されます。
まとめ
本記事では、YouTube広告について、その特徴やメリット、広告メニューの種類、課金形態、目的に応じた選び方、運用のポイント、配信手順などを詳しく解説しました。
YouTubeは世界第2位のアクセス数を誇る巨大プラットフォームであり、多様なターゲティング手法と目的に応じた広告配信が可能であることから、非常に有望な広告媒体と言えます。
YouTube広告を効果的に活用するには、明確な目的の設定、ターゲットの明確化、適切な広告メニューの選択、継続的なPDCAサイクルが重要です。本記事を参考に、YouTube広告の特性を理解し、自社の広告戦略に活かしていただければ幸いです。
AIが導く次世代の広告最適化ツール『動画広告分析Pro』
月間8億件以上の広告データを網羅し、AIによる高度な分析機能を搭載した動画広告分析Proは、広告運用における必須ツールとして注目を集めています。
YouTube、TikTok、Facebookなど主要10媒体に対応し、競合分析から市場トレンドまでワンストップで把握できる優れた機能性が特徴です。
特筆すべきは、500名以上による精緻なデータ収集と、独自AIによる分析精度の高さです。
再生数や予算消化額などの実数値をもとに、効果的なクリエイティブ要素を抽出し、具体的な改善提案まで行います。
すでに1500社以上が導入し、中にはROIが200%向上した事例も。
チームスペース機能による情報共有や、充実したサポート体制も備えており、広告運用の効率化とパフォーマンス向上を実現する強力なツールです。